【完結】婚約破棄を望んだのに、なぜか愛で埋め尽くされそうです!
「ミクのこと、俺は一番分かってるつもりだよ。……ずっとミクのこと見てきたし」
そんなことを真剣な眼差しで言われたら、私は何も言えなくなってしまう。
「……まあ、そうかもね」
「ミクの夫だよ、俺は。ミクのこと何でも知ってるからな? ミクの寝相がかわいい所とか、ミクの背中にかわいいほくろがある所とか、何でも知ってるからな?」
「えっ!?」
私の背中にほくろなんてあるの……?! そんなのあったっけ?!
「知らなかった?ミク背中にほくろがあるんだよ。かわいいほくろがね」
ほ、ほくろにかわいいとかある……のかな?
「それだって俺しか知らないことだろ?」
「ま、まあ、そうかもだけど……」
急に恥ずかしくなった私は、黙って朝ごはんを食べることにした。
「ごちそうさまでした」
あっという間に朝ごはんを食べ終えたカオルは、そのまま部屋へと戻っていく。
「……かわいいとか、言わないでよ」
私はまだカオルのことをちゃんと好きになっているのかも分からないのだ。 好きになってくれるまで待つと言ってくれたけど、それだって……本当はイヤなんじゃないかって思ってる。
本当にこんなんでカオルと結婚して良かったのか、そうも思う。