【完結】婚約破棄を望んだのに、なぜか愛で埋め尽くされそうです!
私が余計なことを考えないように、たくさん話してくれる。
エリナの言うとおり、カオルの腕に飛び込んで良かったかも。……まあ、その腕から逃げられないけど。
「飛び込んでみたら、案外楽かもよ?」
エリナは確かに、あの時私に「遠慮なく飛び込んでみたら?何かが変わるかもしれないよ?色々と」と言ってくれた。
今思うと、私はカオルと婚約破棄をしなかった時点で、カオルに飛び込んでいたような気がする。
「エリナの言うとおりに、なったのかも……」
エリナも私と同じ立場なら、迷わずカオルの腕に飛び込んで幸せになることを選んでいたかもしれない。
カオルという最大の逃げ道を利用して、幸せになることを選んだのは、この私。……だから後悔なんてしたくない。
エリナは私に、どんな形でも私が幸せならそれでいいと言った。 あの言葉は、きっと本心だ。
エリナとはもう、親友を通り越して家族みたいな感じだから。お互いの恋をずっと応援しあってきた仲間であり、それこそ戦友だ。
最初にエリナに婚約破棄したいと言った時、エリナは私がそう言うことを、多分予測していたのだろう。
やっぱりね、って顔をしていた。 エリナには、私の気持ちが見透かされていた。