【完結】婚約破棄を望んだのに、なぜか愛で埋め尽くされそうです!


 いよいよだ……と身構えているうちに、私の身体の奥に感じたことのない痛みがピリッと走る。

「っ……んぅっ」

 身体の中に流れる鋭い痛みで、顔をしかめたくなる。

「ミク……大丈夫か?」

「ん……大丈、夫」

 カオルが本当に、今私の中に入ってるんだなって実感がある。
 誰かに抱かれるって……こういうことなんだ。

「ミク、辛くないか……?」

「ちょっとだけ、辛いけど……大丈夫……」

 カオルはそんな私を気遣って、優しく優しく、私の中をゆっくりと動いていく。
 
「あっ……っ」

 痛みから少しずつ解放されていった私は、少しずつだけど、その痛みが心地よく感じてきてしまいカオルの身体に身を委ねるように抱き着いていた。

「……ミク、大丈夫か?」

「ん……なんか、痛みがちょっと減ってきた気がする……」

 これが気持ちいいかどうかって言われると、まだ分からないのだけど、私の身体がカオルを受け入れていることだけは分かった。

「あっ……」

 自分でも気になるくらい甘い声が出たことにびっくりして、私は思わず「やだ……」と呟いてしまう。

「ミク……大好きだよ」

 カオルと初めて身体を重ねた日、私は目を閉じてその余韻に浸っていた。
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