【完結】婚約破棄を望んだのに、なぜか愛で埋め尽くされそうです!


 カオルは私を見て「なんだよ、気になるだろ?」と言ってくる。

「私も昔、そんな感じだったなって思ってさ」

「え?」

「私も昔、誕生日プレゼントに何が欲しいか聞かれて困った時があってね。考えてる時そんな感じだったなって思ったら、なんかおかしくて」

 その言葉を聞いたカオルは、私に向かって「じゃあ、俺たちは似てるってことだな」と話す。

「似てるって?」

「ミクと俺は、やっぱり似てるんだよ。……夫婦だな、やっぱり」

「……そうだね」

 そうだ、私とカオルはもう夫婦になってる。夫婦は似てくるというけど、そんな気がする。

「俺は結婚してから、ますますミクのことを好きになってるんだ」

 急にそんなことを言われて、私は困惑する。

「ミクといると本当に楽だし、ミクはかわいいし、優しいし。料理も美味くて、何より飽きなくて楽しい。そんなミクのことが毎日大好きなんだ、俺」

 そんな愛の告白みたいなこと言われたら、ますます照れてしまう。

「……それって、愛の告白?」

「そう。愛の告白」

「……ありがとう」

 愛の告白……って、いいものなのかも。ちゃんと言葉にしてくれるから、ちゃんと伝わる。
 心に染み込む気がする。
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