【完結】婚約破棄を望んだのに、なぜか愛で埋め尽くされそうです!


「これからも毎日、ミクの大好きだから、知っておいて。俺の気持ち」

「言われなくても、もう分かってるよ」

「ミクはゆっくりでいいから。 ゆっくりゆっくり、俺のこと好きになってくれればいいから。焦らなくていいよ」

 なんでそんなに、カオルは優しいんだろう。

「……ゆっくりって、どのくらい?」

「ゆっくりはゆっくりだよ」

「ゆっくり……。うん」

 私は前よりも、カオルのことを知ってる。カオルとキスもしたし、身体だって……。
 でもそれは、カオルを好きという何かに繋がっている気もする。 もう少し、もう少しゆっくりカオルのことを知っていこう。
 私にはもう、カオルしかいないのだから。夫婦二人支え合って生きていくのだから。 この先の人生は、もう二人のものだから。

 私の隣にはいつもカオルがいる。カオルと笑いあったりしていて、一緒にご飯を食べて、一緒に寝る。
 楽しい話をしたりして、明るく楽しく生きていくことが出来る。
 私のすべては……もうカオルなんだ。だから私は、カオルと結婚したんだ。

「カオル……ありがとう。ごめんね」

「謝る必要なんてないよ、ミク。これは俺が望んだことだから、ミクは謝る必要なんてないんだ」

 感謝してる、カオルに。
< 49 / 60 >

この作品をシェア

pagetop