【完結】婚約破棄を望んだのに、なぜか愛で埋め尽くされそうです!
✱ ✱ ✱



 優しいカオルとの日々は、私にとってかけがえのないものになっていた。
 カオルがどんな時も私のそばにいてくれるから、私は強くなれる気がしていた。 それは全部、カオルがいるから。

 そんなある日の休日、カオルと買い物に出掛けていた時だった。
 お母様から私に、電話が掛かってきたのだった。

「もしもし、ミクです」

 お母様は電話越しで「ミク、大変!お姉ちゃん、もうすぐ産まれそうよ!」と言ってきた。

「えっ? 本当に?!」

 お姉ちゃんが産気づいたみたいで、もうすぐ産まれそうとのことだった。

「ミク、アンタも病院に来れる?」

「う、うん。すぐ行くね!」

 赤ちゃんが、もうすぐ産まれる……!

 そう思うだけで嬉しくなって、私はすぐにカオルに、「カオル! すぐに病院に行こう!」とその手を掴んだ。
 
「え、どうした?」

「お姉ちゃんが、もうすぐ赤ちゃん産まれそうなんだって!」

 カオルは「本当か? じゃあすぐ病院に行こう!」と、タクシーを拾ってくれる。

「お姉ちゃん、さっき産気づいたみたいなの」

「そっか。急ごう」

 タクシーの運転手に病院までお願いした私たちは、すぐに病院へと向かったのだった。
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