【完結】婚約破棄を望んだのに、なぜか愛で埋め尽くされそうです!
「お母様……!」
病院の待合室で、お母様とお父様は待っていた。
「ミク!」
「お姉ちゃんは?」
「今、一生懸命頑張ってるわ。見守っててあげましょう」
お母様の隣に座った私とカオルは、お姉ちゃんが無事に赤ちゃんを産めることだけを祈っていた。
お姉ちゃん、頑張ってね……! みんな、ここにいるから。
それからどのくらい、時間が経っただろうか。
赤ちゃんの産声が聞こえてきたのは、その日の夕方だった。
もうすぐ日が暮れそうというような、そんな時だった。
「産まれ……た?」
「ええ……産まれたわね!」
「産ま、れた……」
そっか、産まれたんだ……。お姉ちゃんの赤ちゃん、無事に産まれたんだ。
「良かったな、ミク」
「う、うん」
お姉ちゃんがママになった。こんなに嬉しいこと、ない。
「おめでとう、お姉ちゃん」
その後助産師さんが出て来て、産まれたばかりの赤ちゃんを見せてくれた。
産まれた赤ちゃんは女の子だったそうで、とても小さくてかわいかった。
「かわいい……」
赤ちゃんって、こんなにかわいいんだ。
「かわいいな、ミク」
「うん、かわいいね」
赤ちゃんはふわふわしていて、触り心地も良かった。