【完結】婚約破棄を望んだのに、なぜか愛で埋め尽くされそうです!
「子供が欲しいって思った時に出来たら嬉しいけど、タイミングもあるもんね」
「そうだな。 いいよ、俺たちは。焦ったりしなくてもいいと思うし」
「そうだね」
カオルと一緒に生きることが、私にとってはこの先もプラスな人生になることは間違いない。
「ミクの子供は、きっとかわいいだろうな」
「きっとかわいいよね、赤ちゃん」
大好きな人の子供なら、尚更かわいいに決まっている。
「時々、赤ちゃんに会いに行きたいな」
「会いに行こうか、お姉さん夫婦に。……まあ、元は好きな人だった訳だし、ミクにとっては複雑かもしれないけど」
そんなカオルの言葉を聞いた私は、「そんなことないよ。 今はちゃんと幸せだし、もう未練は残ってないから、大丈夫だよ」と答えた。
そう、私が大好きなのはカオルだから。 今はもう、未練なんてものはない。
そんなもの、もうとっくになくなっている。
「確かに、ずっと好きだった。……けど、それはもう過去の話だから」
私はカオルの手を握りしめると、「私が好きなのは、大好きなのは……カオルだけだよ。 あなたは私の、大切な人だから」と伝えて笑った。
「これが、愛するってことだね。きっと」
カオルは、「ああ、そういうことだよ」と頷いて笑った。