【完結】婚約破棄を望んだのに、なぜか愛で埋め尽くされそうです!


 カオルとのキスは優しくて、いつも甘い。愛が伝わってくる気がする。

「さ、メイクしておいで」

「う、うん」
  
 て……照れる。恥ずかしさしかない。

 私はいつから、こんなにカオルのことが好きになったのだろうか。 カオルのことがこんなにも愛おしいと思えるようになったのは、どうしてなのだろうか。
 多分その答えは、カオルがどんな時でも私のそばにいてくれたからだと思う。 

 婚約破棄をしたいと願い出た時もそうだ。一年前、婚約破棄をしたいと願い出た私に、カオルは「他の男を好きでも構わない。俺を利用すればいい」そう言ってくれた。
 悩んだ末にカオルの胸に飛び込んでみた結果、私はカオルのことを好きになれた。 今ではとても大切で愛おしい大切な存在で、かけがえのない人になった。

 カオルがいてくれなかったら、今の私はいないかもしれない。 カオルと出会ってからの私は、ずっとカオルに支えられている。
 姉の旦那さんを好きでいた私が、カオルのことを愛おしいと思えるようになったのは、紛れもなくカオルのおかげだ。

「カオル、お待たせ。行こう」

「ああ、行こう」

 今ではカオルと出掛ける時は、必ず手を繋いで出掛けるようにしている。 カオルの手が温かくて、優しい温もりで幸せに感じられるからだ。
< 57 / 60 >

この作品をシェア

pagetop