【完結】婚約破棄を望んだのに、なぜか愛で埋め尽くされそうです!
カオルがお風呂に入っている間、私はベッドに入り本を読んでいる。 今読んでいるのは、好きな作家さんが書いているファンタジーの本だ。
とても面白くて、つい読み進めてしまう。
「ミク?起きてるか?」
「うん、起きてるよ」
本を読んでいる私に、カオルは「そろそろ寝るか?」も聞いてくるので、私は「うん」と返事をし、本を閉じる。
「お休み、ミク」
「お休み、カオル」
こうして私は、カオルに抱き締められながら眠りに付く。
カオルの愛おしい温もりが心地良くて、よく眠れる気がする。
カオルと夫婦になって思うことは、カオルとは夫婦というより友達みたいな関係でいれることだ。
お互いに自分の時間は持つように時間を作る。でも夫婦の時間も大切にしているから、なんだかとても楽だなと思う。
カオルがいてくれるから、私は私でいられるのかもしれない。
✱ ✱ ✱
カオルとの平和な日々は、それからも続いている。 夫婦として歩み始めて一年が経とうとしているけど、その一年はあっという間で、でも濃厚だった。
私の隣には、カオルがいないとダメだとさえ感じている。 カオルがいなかったら、きっと私はカオルに恋をしなかったし、ずっと姉の旦那さんを好きでい続けていたかもしれないなと思っている。