僕の欲しい君の薬指
ビリビリと痺れる感覚が全身に走った。甘い刺激が保っている理性を容赦なく攻撃している。放された下唇には、彼の歯に噛まれた疼きと熱が残って焼ける様だ。
視界がぐにゃりと歪んで脳内もぐちゃぐちゃに掻き乱れる。
「痛い?」なんて訊いてくるこの子の優しさが私の心に芽吹いている感情に蕾をつけようとする。
三つ年上の従姉弟のお姉さん。十八年守り続けていたその仮面を、彼の手によって剥がされていくのをありありと感じる。もうこれ以上私の翻弄しないで。このままだと気づいてしまうの。許されない感情を認めてしまいそうなの。だからお願い天糸君…。
私をもう惑わさないで。