僕の欲しい君の薬指
本日も榛名さんの手には棒付きのアイスクリームが握られている。
「ここで休んでたらまた月弓に会えるかなって考えてた」
「え?」
「そしたら月弓に会えた」
何の取り柄もない私に、榛名さんは顔を綻ばせてくれた。おかげで私の鼓動は落ち着かない。
ベビーブルー色でストライプ柄のシャツを着こなしている彼の袖口から伸びている腕は、日焼け知らずなのか羨ましいまでに白い。
「私に会っても面白い事なんてないですよ」
「それは俺が決める事。だし、実際俺は月弓と話していると悩みとか疲れが吹っ飛んで癒される」
「そんな訳…「実際今だってそうだよ」」