夜が明ける頃、二人は永遠の愛を誓いあった
「えっ?叶氷さん今なんて…」
うまく聞き取れなかった衣緒が聞き返そうとした時、叶氷は軽く顔を上げた。
「衣緒、もう一度聞くね。俺と一緒に“いって”くれる?」
先程と同様の質問を叶氷はまた投げかける。
「それは、さっき叶氷さんが言ってたこと…だよね。私だって叶氷さんと一緒にいたいよ?でも…やっぱり死ぬのはいや、怖いの。」
ぽつりぽつりとではあるが、衣緒は叶氷の目をみて自分の意思を口にした。
その言葉に叶氷は
「…衣緒の意志は変わらない、か。」
独り言のようにそう漏らす。
二度目の聞こえるか否かの音量。
それを聞き返そうにも、あまりの静寂にそれさえも躊躇われてしまう。