夜が明ける頃、二人は永遠の愛を誓いあった
先に意識を手放したのは衣緒の方だった。
繋いだ手から彼女の体温が少しずつ薄れていく。
「衣緒…」
呼びかける自分の声が弱々しいことに気づき苦笑する。
痛みは無いが、体が重い。
叶氷は残り少ない最後の力を振り絞って、冷たくなった衣緒の体を抱き締めた。
「こんな結果になってごめん。…僕も衣緒のこと、ほんとにずっと大好きだよ。」
その言葉は果たして声になったのか。
答える者はもういない。
再び静寂につつまれたその部屋には、二人を弔うように穏やかで優しい光がカーテンの隙間から差し込んでいたのだった。