夜が明ける頃、二人は永遠の愛を誓いあった
×月×日 午前一時
カチッカチッカチッ

時計の針の音だけが響く薄暗い部屋。

そこには人影が二つ。


「やっぱり…怖い。」

震える声でそう告げるのはそのうちの一人、呉笠 衣緒(くれがさ いお)である。


「ねぇ、良くないよ。こんなことやめよう?ほら、他にも方法が…」


「衣緒、俺たちは一緒になるんでしょ?でも、この世界ではどうやらそれが叶いそうにない。」

続けようとする衣緒を遮るように、彼ー葵 叶氷(あおい かなひ)が口を開いた。

聞く者を惑わすような独特の声音。


「だから、こうしようって言ったよね?それに同意したのは衣緒だよ。僕も無理強いはしてないでしょ?」

声音と同様に独特なテンポで話す。

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