仮面を外すとき、


「な?帰るよ」



悠くんはそう言って私に微笑みかけると。



──────ギュッ



と、私の手を握ってくれた。



しかも、隣に歩かせるようにして。



「.....................っ、うん、帰る、」



悠くんの隣は落ち着くから。



悠くんと並んで帰れる道はやっぱり特別。



そう思いながら、
悠くんの手をギュッと握り返すと。



「彼女に隣に来て貰えないとかさみしーから」



悠くんは、私の方を見ずにサラッと口にした。



悠くんは、モテない幼なじみだけど。



私と2人だけの時、その関係は〝特別〟になる。



恥ずかしいから、
学校にも両親にも、まだ秘密だけど。



私と悠くんは、〝恋人〟という特別な関係。


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