もー、むり、
──────グイッ!
と、引っ張られる感覚。
次の瞬間には、
私までベッドに腰掛けている状況。
「...............べっ、勉強しなきゃ、」
愁くんの、腕の力にビックリして、
思わず出たのはそんな言葉。
1ヶ月ぶりに入った愁くんの部屋。
久しぶりの...............凄く近い距離。
私の顔は柄にもなく、真っ赤で............
「.....................あのさ、梨里、」
やっと声を発した愁くんは。
ただ、私の名前を呼んだだけ。
名前を呼んだだけ...............それなのに。