もー、むり、
【02.】嫌いじゃないから、
私の〝作戦〟は、正直神頼みだった。
だけど.....................
「...............で、どこ?」
いま、目の前には愁くんの姿。
久しぶり過ぎる、ありえない光景。
「.........あっ、えっと、ここ」
リビングにある、
広めのテーブルの上の、教科書を指さす。
その手は、ほんの少し震えた気がする。
「..................バカなの」
私の指さすところを見るなり、
愁くんの辛辣な発言。
「うぅ、だって.........、」
〝作戦〟として考えたけど。
私は、愁くんなしで、
勉強出来るほど、頭が良いわけでもない。