極道の娘、溺愛されてます。

溺愛されてます

「おはよう!いっしょに登校しよー」


身支度をしていると椿くんが声をかけてきた。「おはよう!いいよー」と言葉を返す。

学校には、4人のうちの誰かといっしょに

行っている。

なぜ1人で行くことがないかというと


「敵対している組がうちの娘に手を出して

くるかもしれない」


という何とも過保護な父の意見があるからだ。

確かに、敵対する組織のお嬢様を|拐《さ

ら》えば、敵対する組織の戦力をさげれる

だろうという目論見を持つ人たちがいるの

は知っている。なので同じ学校なのでいっ

しょに行った方が安全でいいし、

何よりいっしょに行った方が楽しいので、

いつもいっしょに登校している。

─────

「遅くなってごめんね。待っててくれてありがと!」

先ほど忘れ物をしていたことに気がついて、取りに行っていた椿くんが戻ってきた。


「ううん、大丈夫。まだ時間に余裕あるからそんなに気にしなくてもいいよ!」

私が「行こっ」と言うと素直に彼はついてきた。


「今日のニュース見た?」


「うん。敵対する組のことのニュースだよね。」


「そう!それ。なーんか最近物騒な話題が多いんだよねー。美姫ちゃんも危ないから出かけるときはなるべく僕たちと行動してね!」

「わかった!出かける時は誰かといっしょ
に行くことにするね」

「絶対だよ?はい、指切りげーんまん」


そう言う彼の小指に、私の小指をからめて2

人でこう言った。


「「嘘ついたら針千本飲ーます!指切った、げんまんっ!!」」


そして、椿くんはふふっと笑う。


「これで、約束は破れないね。さっ。遅れるし、早く行こう」
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