あなたの世界にいた私




午後になると、先生と看護師に連れられて、
診察室に移動してたくさん検査をした。







久しぶりにたくさん検査したからなのか、
体力の限界が近かった。




「雪乃ちゃん、大丈夫?
後、一つだけしようと思うんだけど、
いけそう?」







「……うん、大丈夫…」








「ごめん、雪乃ちゃん病室に戻してあげて」





「分かりました」




私が答えると、先生は看護師に指示をした。






「…どうして…?」







「無理しなくていいよ。
今日はもうおしまい。お疲れ様」








先生がそう言うのと同時に、
看護師が私の車椅子を押して歩き出した。



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