あなたの世界にいた私




-ガシャン!






左手に力が入らなくなってから、
今では右手にも少しずつ痺れが出てきていた。






だからか、うまく手を動かせず、
持っていたスプーンを床に落としてしまった。







拾いたかったけど、今の体力だと、
ベッドから降りることすら
出来なくなっていた。













その時だった。





「大丈夫?」








そう言って、スプーンを拾ってくれた。










「…雪斗くん…?」











そこには、
髪色が変わった雪斗くんが立っていた。









「久しぶり」







「…うん、久しぶり」



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