あなたの世界にいた私





「来週、僕たち初めてのライブがあるんだ。












雪乃にも来て欲しいけど、
ツアーだから、ここから場所が遠いんだ」






「そっか。











…なら、今回は行けないね」













「…ごめんね」





雪斗くんは、そう言って、
申し訳なさそうに顔を俯ける。







でもね、
そんな残念そうにしている雪斗くんに、
私は胸を張って言いたかった。







「雪斗くん。













今回行けなくても、
次は必ず行けるように、私、元気なるね」










雪斗くんには、安心させて、
ライブに挑んで欲しかった。













私のことで頭が一杯になるのは、違う。

















雪斗くんのことが大好きな、
たくさんのファンが、
あなたを待っているんだから。



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