あなたの世界にいた私








「でもね、雪斗くんに出会ってから、


















あぁ、生きないと。














生きて、雪斗くんの成長が見たい。








いつかは、雪斗くんのライブになんか行って、





ファン同士で雪斗のこと、






…かっこいいねとか話して、











……そんな、夢が出来たの」









ずっと話しているからか、
少し私の呼吸が荒くなってきた。











「無理しないで。ゆっくりでいいから」










そんな私の変化に、すぐに気づいて、
声をかけてくれた雪斗くんに、
「大丈夫、ありがとう」と答えて、
そのまま話を続けた。








「症状が出て、苦しくて、
















あぁ、ダメだって思った時、
いつも雪斗くんの顔が思い浮かんでた。













そしたら、いつの間にか、




















死ぬのが怖くなってた。












明日が来ないのを考えるのが…























…怖かった」








私の頬に何か熱いものが流れた。








瞬きをすればまた流れる。










泣かないって決めてても、
雪斗くんの前だと上手くいかないな。











なんて、考えていたら、
フワッと暖かい何かに包まれた。










「…大丈夫。















雪乃には明日が来るよ。















明後日も、











明々後日も。












毎日は行けなくても、









僕が会いに来るから」






そう言って、抱きしめてくれた。



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