あなたの世界にいた私
そんなことを言われてしまったら、
余計に涙が止まらなくなってしまう。
「…だから、私は、
…一度雪斗くんから離れようとしたの。
これ以上、迷惑をかけたくなかったから」
「雪乃。
僕は一度も迷惑だなんて思ってないよ。
僕が勝手に雪乃に会いに来てるだけだから」
そんなことを言ってくれる雪斗くんは、
どこまでも優しい。
「雪斗くん、ありがとう」
「僕の方が感謝しなきゃ。
今までも、
これからも。
雪乃のこと話してくれて、ありがとう」
幾度となく流れてくる涙のせいで、
もううまく答えられなかったから、
頭を横に振って答えた。
「次は、僕の世界を見せる番だね。
ツアーが終わったら必ずまた来るから。
だから、待っててね」
そう言って、
雪斗くんは身体を離して微笑んだ。
そして、私の涙をそっと拭ってくれた。