あなたの世界にいた私
「大丈夫。
…雪乃は、大丈夫だよ。
明日も明後日も、
これから先も何年と、
何十年と生きるんだよ。
…僕と一緒に生きるんだよ」
雪斗くんは、
泣きながら励ましてくれた。
人のために泣ける雪斗くんは、
どこまでも心が綺麗な人なんだろうか。
この時、
私は、生きていてよかったと思えた。
だって、
こんなにも素敵な人に出会えたのだから。
「…雪斗くん、ありがとう。
…私…頑張るね」
「応援してる。
雪乃は、一人じゃない。
…だから、頑張って」
「うん」
そう言って、私は通話を切ろうとした。
「じゃあ、そろそろ切るね」
「待って。
…約束しよう」
そう言って震えて、
掠れた声が向こうから聞こえてくる。