あなたの世界にいた私
「話せた?」
「うん…。
携帯、ありがとう」
私が泣き止んで少しした時、
先生が病室に入ってきた。
きっと、
私が泣いたのも、先生は知っている。
でも、何も聞かず、
「また明日」とだけ言って、帰って行った。
その先生の気遣いが、
いつも私の心を救ってくれている気がした。
言葉が欲しい時は、
きちんと答えてくれて、
一人になりたい時は、
何も言わずに一人にしてくれる。
そんな行動が、
少し”ゆっくん”に似ているな、
なんて思いながら、私は眠りについた。