あなたの世界にいた私
この暗闇に来るのは何回目だろうか。
なんて思っていた時だった。
「「雪乃」」
「…お父さん…?お母さん?」
何も見えない中、声だけが聞こえた。
「おいで」
そう言って、お父さんが姿を現した。
そして、
お父さんの隣にお母さんも姿を現した。
二人は微笑んでいた。
私の記憶の中で、
こんなにも二人が私の方を見て、
微笑んでいる姿を見たことがなかった。
私が小さい時に、
お父さんは亡くなってしまって、
その後のお母さんは、
いつも疲れ切っていたからだ。
そんな、申し訳なさと、
今までの治療の疲れが出たのか、
もう、いいよね。
なんて思ってしまった。