あなたの世界にいた私
-キャー‼︎‼︎
「こんにちは。
今日がツアー最終日です。
みなさん、楽しんでいきましょう‼︎」
お母さんたちがいる方向とは逆から、
歓声と雪斗くんの声が聞こえた。
「……ライブ…?」
お母さんがそう呟いて、私は思った。
あぁ、そうだ。
私はまだ、
雪斗くんの世界を見ていない。
そう思うと同時に私は、
お母さんたちに背を向け、
声のする方へ走っていた。
ごめんね、お父さん、お母さん。
私、行かなきゃ。
まだ、思い残したことがたくさんあった。
雪斗くんも、
それに…
…先生にもまだ何も伝えていない。