あなたの世界にいた私
















でも、そんな僕を救い出してくれたのが、













母さんの言葉と律だった。

























 






当時の僕には、母さんの言った、
どこからでも見つけられるように、
輝いた人生を歩んでと言う言葉が、
分からなかった。


























そんな時に、テレビで見たのは律だった。






























実際には、
律が出演していたオーディション番組。
































そこにいた律は、誰よりも輝いていた。
























舞台で踊る姿も、





























歌を歌う姿も、





























デビューできなかった律が流す涙も、


































全てが輝いて見えた。




























その時思った。






















僕はアイドルになる。
















アイドルになって、
母さんに見つけてもらえるように輝こうと。
































だから、律にも、
母さんがくれた最後の言葉にも感謝している。








































そして、雪乃にも。































「母さん……






















…雪乃に会えたらさ…………










































…僕が伝えられなかった、僕の世界…

























…僕自身のこと…















たくさん…教えてあげて。
























…本当は………自分で言いたかったけど…

















…できなかったからさ…。

















…これが…



















…母さんに頼む、僕の最後のお願い。


























………僕は…もっと頑張るからさ、





















だから…叶えて…
































…母さん…お願い…」












聞こえるはずもない言葉を声にして、
必死に祈った。


























この言葉が、母さんに届きますようにと。























今の僕にできることは、
このぐらいしかないから。







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