あなたの世界にいた私











あれから、
時間は思っていたよりも早く過ぎ、
一ヶ月が経とうとしていた。




























僕は、
少し長めの休暇をもらい、
活動を休止していた。



























その期間、
ファンたちからの憶測は絶えなかった。


























病室に書いていた雪乃の文字から、











彼女がいるんじゃないか、




















今頃二人で旅行でも行っているのでは。




























もしかして、彼女は亡くなっているのではと、
たくさんの事が書かれていた。










それだけなら僕も見逃せた。













ただ、ひどい言葉もたくさんあった。














勝手な想像で、
雪乃を僕の彼女だと思い込み、
雪乃に誹謗中傷する人も絶えなかった。




























そして、
僕以外のメンバーにも、
彼女がいるんじゃないかと、
そんな話題ばかりだった。





































そんなある日、
マネージャーから連絡があった。































明日から復帰できるか、という連絡だった。

















まだまだ、
雪乃のことでの話題は絶えないが、

事務所からは、
本人から発表すると公表してもらっていた。































僕はきっと、
雪乃のことをメンバーやファンに
伝えなければいけないと思ったからだ。








































僕が今アイドルとして
ここに立てているのは、
間違いなく雪乃のおかげだったと。
































だから、
今度こそ自分の口から、
大切な人に伝えたいと思った。







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