あなたの世界にいた私
「雪斗、今日から復帰だ」
マネージャーがそう言うと、
メンバーやスタッフは笑顔で、
おかえりと言って出迎えてくれた。
何があったか、詳しくは誰も知らない。
それでも、
僕を信じて待っていてくれた。
それが嬉しくて、心強かった。
「それから、
今雪斗のことで話題になっていることを
今夜のライブで配信しようと思う。
雪斗いいな?」
「…はい」
雪乃のことを話すのは、
少し前の僕だったら無理だった。
僕自身が、
何も受け止めきれていなかったから。
でも、この長期休暇で、
雪乃のお葬式があり、
少し休めた事で、
きちんとお別れできた気がする。
だから、今なら冷静に、
感情に振り回されずに話せる気がした。