あなたの世界にいた私

「………先生なら、どうするの?」
「俺なら、伝えるかな。
 伝える、伝えないにしろ、いずれバレるかもしれないんだったら、
 自分の口から伝えたいかな」

「そっか」
「…心配してるんじゃない?」

それだけ言って、先生は病室を出て行った。
“心配している”という言葉が、私の中で引っ掛かった。



でも、それでも、





話す勇気が、





今の私にはなかった。
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