あなたの世界にいた私
分かってるよ。
先生たちは
お母さんを助けなかったんじゃない。
助けようと最善を尽くしたけどダメだった。
そんなことぐらい分かってる。
でも、この悲しみは誰かを責めないと
埋めることができなかったから。
だから、本当は先生たちには感謝してる。
今の私は素直になれないけど、
いつか、”ありがとう”って
言える日が来るといいな。
そんなことを思いながら、
私は重たい身体を起こして、病院から出た。
この日が私の命日になったとしても、
今は会いたい人がいるから。
会って、伝えたいことがあるから。
だから、私は足を前に進めた。
息が苦しくても、
重たい足を一歩一歩前に出す。
一度も止まることなく。