あなたの世界にいた私






「久しぶり」










そっと顔を上げると、
少し心配そうな視線と私の視線が絡み合う。









「…どうして、泣いてるの?」







そう言って、私の頬にそっと彼の手が触れた。







冷たくて、
寒いからやめてって言うつもりだった。






でも、なぜか
その時はその冷たさが心地良かった。


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