あなたの世界にいた私
「…先生?」
「どうした?」
「……私のこと…話したの?」
病気のこと、
雪斗くんに話したのか聞きたかった。
「話してないよ。
…個人情報だからね」
「…そっか」
私がそう言うと、先生は頷いて病室を出た。
それから何分経ったのかな。
ずっと静かで、
私一人しかいないみたいだった。
いつものように、
この広すぎる病室に一人でいるみたいに、
静かだった。
そんな静寂を破ったのは、
雪斗くんだった。
「雪乃…
…僕に教えて。
…雪乃のこと知りたい」