あなたの世界にいた私
「…私の病気は、
原因がわからないの。
だから、症状も色々ある」
私の話を聞く彼は、
目にたっぷり涙を溜めて、
今にもこぼれ落ちそうだった。
それでも、
何も言わずに、
私の目を見て話を聞いてくれた。
「私は、
いつ死ぬかもわからない。
……明日…
…死んじゃうかもしれない」
そう言うと、
彼はボロボロと涙を流した。
”泣かないで”と言いたかった。
なのに、私まで泣いてしまったから、
そんなこと言えなかった。
「……ごめんね、雪斗くん。
大事な時期なのに、
変なことに巻き込んじゃったね」
私がそう言うと、
雪斗くんは首を横に振るだけで、
何も言わなかった。