あなたの世界にいた私
「雪乃ちゃん、おはよう」
廊下に出てボーッとしていたら、
突然先生に声をかけられた。
「雪斗くん、人気だね」
「…そうですね」
「どうして敬語なの?」
「別に」
どうして、私の顔を見て
ニヤニヤするのか分からなかった。
「…何?」
私がそう聞くと、
先生はブハッと吹き出した。
「雪乃ちゃん、鈍感なんだね。
まぁ、自分の気持ちには正直にね」
「…どうゆうこと?」
「そのうち分かるよ」
「答えになってない」
そう言ったのに、
先生は手をヒラヒラさせて、行ってしまった。
「…意味わかんない…」
理解できなくて、少しだけ腹が立った。