あなたの世界にいた私
-ガラッ
「雪乃ちゃん!」
「!?あ、紗良ちゃんと芽衣ちゃん、
院内で走ったらダメだよ」
そう言って、優真先生は、
勢いよく病室に入ってきた二人に注意した。
「あ、優真先生いたんだ。
って、それよりこれ見て!」
そう言って、近づいてくる二人は、
前に会った時とは、
表情が全然違って何か焦っていた。
「雪斗くん、殺害予告されてるみたい」
「え…?」
「これ」
そう言って、
紗良ちゃんが携帯を見せてくれた。
そこには、一つのツイートがあった。
“西宮雪斗 殺”
流石に、このツイートのコメント欄は、
雪斗くんを心配する声も上がっていた。
でも、冗談でも、私は許せなかった。
本当のことなんて何も知らないくせに。
雪斗くんのことを
何一つ知らないくせに。
「…雪乃ちゃん…?大丈夫?」
「え…?あ、ごめん、大丈夫だよ」
腹が立つ。
なのに、何もできない自分が悔しくて、
気づけば涙が溢れていた。
「じゃあ、私たち戻るね」
「うん、ありがとう」
そう言うと、紗良ちゃんと芽衣ちゃんは、
病室から出ていった。