あなたの世界にいた私





「あの二人と友達になったの?」










「…友達なのかな?




私には分からない。




でも、私は…











…友達だと思いたいかな」





「そっか」





そう言うと、先生は病室から出ようとした。











「…待って!」





「雪乃ちゃん…?どうしたの?」






分からない。









けど、胸騒ぎがする。













「…公園連れて行って」






「公園…?」







「雪斗くん、そこにいると思うから。









…お願い」







最近は特に症状も出てない。








だから、私は大丈夫だからと目で訴えかけた。







「仕事終わったらまた来るから、
それまでは病室から出ないこと」






「分かった。ありがとう」






そう言うと、先生は病室を出て行った。










それから、先生が仕事を終えて、
私の病室まで来るまで、
ずいぶん長く感じた。





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