あなたの世界にいた私
「15分で戻ってきて」
「うん、分かった」
そう言って、
私は、車から降りて公園まで急いだ。
「雪斗くん!」
公園には雪斗くんの姿があって、
その姿を見つけた瞬間、
何も考えずに勢いよく抱きついてしまった。
ずっと会いたかったからとか、
殺害予告が出ていたからとか、
色々あったけど、
一番はそんなことじゃない。
雪斗くんが、
一人で泣いていたから。
私なんかが、
どうにかできるなんて思ってないけど、
人の温もりで安心できると思ったから。
私もそうだった。
病気がわかってすぐ、
毎日が怖くて、
そんな時、
お母さんが抱きしめてくれたから。