あなたの世界にいた私






「…雪乃…













…ごめん…僕」







「大丈夫。大丈夫だよ」







そう言って、
さっきより強く優しく抱きしめた。










「…もう…











…分からない…」



「え…?」










「このまま…













…生きてていいのかな…」








一番、聞きたくなかった。









雪斗くんの口から、
一番聞きたくなかった言葉だった。







生きなきゃダメだよって言いたいけど、
私には言えない。






私もそうだったから。







ずっと、”死にたい”と思って生きてきたから。












だから、”生きて”なんて言えない。














でも、”死”を選ぶのは避けてほしい。



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