恋愛ゲームの悪役令嬢に転生しましたが、推しカプの仲人に忙しいので、そちらはどうぞ勝手にお幸せに
「モニカお姉様、このリボンかわいらしいですわね。わたくしの髪飾りと交換してよろしいですか?」
「マルガレーテさん……」
女性同士が身につける物を交換する、ということは一生の友情を誓うということを意味する。まだ6つの子どもが言うことだから信用性はないだろうけれど。
「いただけたら、大切にしますわ。モニカお姉様と思って常に身につけておきますの」
「わかりました、こんなもので良ければ」
素直で純真な彼女に汚れた心(推しカプのライバル蹴落とし)で近づくのは申し訳無いけれども、きっと幸せになる相手を探しますからね!
「あら……」
わたくしが交換で差し出した髪飾りを見たモニカ王女は、それを見て首をかしげながらあちこち角度を変えて眺めてらっしゃいますね。
「この宝石……無色なのに角度によって違う色でキラキラ輝いて見えますのね」
「ああ、それはダイヤモンドという宝石ですわ」
「ダイヤモンド?」
モニカ王女だけでなく、リリアナお姉様まで驚いたのも無理はないですわ。
わがバーセンハイム公国には鉱脈や鉱山があり、様々な金属や宝石が産出されているのですが、最近はダイヤモンドばかり。けれど、ダイヤモンドは人気がないのです。見た目がただの石ころにしか見えない上に、硬すぎてろくな加工ができなかったからですわね。
そこで、最近わたくしが切断と研磨のできる職人を探し出し加工していただきましたの。
宝石好きでもあった前世の知識も役立ちましたわ。