恋愛ゲームの悪役令嬢に転生しましたが、推しカプの仲人に忙しいので、そちらはどうぞ勝手にお幸せに
本日の実地訓練は東にあるバーセンハイムと隣国国境付近にある森林地帯の探索。
今回は学年に関係なく実力で適切なバランスになるようにパーティーが組まれてますの。
わたくしが攻撃魔法。カイン王太子が正統派の剣術。
リリアナお姉様は治療や解毒等の癒やし魔法。
シシは弓矢等の遠距離攻撃タイプ。
フランは格闘家に近い体術タイプ。
キュカは索敵や防御魔法などの後方支援魔法。
まあ、この組み合わせになるよう、わたくしが裏で手を回したのも無きにしもあらずですが。
ただ、わたくしのパートナーは別の剣術が得意な同級生になるよう手配したはずですのに、なぜカイン王太子になったのでしょうか?そこだけ納得できませんわ!
「マルガレーテ様」
「あら、シシ。どうしたのかしら?」
「やはり、アイカという女学生は学院にいないようです。“ヨル”の総力を挙げて探索しましたが、付近にもそれらしき女はいませんでした」
「そう。ありがとう、シシ。余計な手間を掛けたわね」
「いえ、お嬢様方のためならば…また、何なりとお申し付けください」
周りに聴こえないように、シシには耳打ちで報告してもらう。なるべく人気がない場所ではありますが……実は、お姉様にだけはわざと見えるようにしてありますの。
ほら、案の定お姉様はこちらをジッと見てらっしゃいますわ……明らかにご機嫌を損ねたのが手に取るようにわかりますわよ。