恋愛ゲームの悪役令嬢に転生しましたが、推しカプの仲人に忙しいので、そちらはどうぞ勝手にお幸せに

さて、これからカイン王太子にすべて説明します。

わたくしが転生者であること、前世で日本人だったこと。ここが恋愛シミュレーションゲームの中の世界であること。

そして一番の目的は、絶対あなたと結婚はしない宣言。
婚約も偽りで、愛しきヒロインが現れたらさっさと婚約破棄してくださって構わない。つまりは、ヒロインが現れるまでの偽装婚約で、他の令嬢からの弾除けにしてくれていい、ということをすべて話すつもりです。


そして、5分後。

案の定、混乱状態なカイン王太子の姿がありました。


「……は、なんだそれ?おまえ……なに言ってる?」
「もう一度説明しましょうか?ここが“アクスフィアの物語”という恋愛シミュレーションゲームの中の世界で、あなたは10年後に現れるヒロインを愛するのですわ。わたくしはその時ヒロインに意地悪をするライバルの悪役令嬢なのですが、破滅は御免こうむりたいので、あなたを愛する事も結婚することも絶対ありませんの」

飲み込みが悪いな、とは思いますけれど、現実はこんなものでしょうね。わたくしだとて前世の日本で今生きてる世界がゲームの中だよ!なんて言われていたら発言者の頭がオカシイと思いますもの。

でも今現在(リアル)、わたくしたちがいるのは確実に“アクスフィアの物語”の中なのですわ。

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