恋愛ゲームの悪役令嬢に転生しましたが、推しカプの仲人に忙しいので、そちらはどうぞ勝手にお幸せに
悪役令嬢…
以前カイン王太子にも指摘されてましたわね。
どうやらにまにま笑いが、なにか企んでると誤解されているようですが、まあ…皆さまの人生に介入しているのですから、当たらずといえども遠からずですわね。
「待って!」
キュカとカイン王太子が足を止めたのが、ほぼ同時で。キュカは手にした木製の杖を高々と掲げ目を瞑りました。
「100m先の道を、狼型の魔物……群れが通っています」
「……そうだな。無数の気配を感じる。この数だとオレたち全員が突っ切るのは無理だろう」
キュカの言葉にカイン王太子が付け足しますが、気配って…なにかすごいですわね。忍者か暗殺者?
「キュカ、目くらましはかけられるか?」
「うーん、あの数相手は難しいかな?一人ならなんとかなるけど……フランならどうする?」
「そうだな…」
フラン王子の言葉にキュカが応じますが…おや?おやおや?ずいぶんお互い理解しあっていらっしゃる様子ですわね。思わずにまにま笑いを浮かべてしまったか、カイン王太子から「おまえ…その顔怖いからやめろ」と言われてしまいましたわ。