恋愛ゲームの悪役令嬢に転生しましたが、推しカプの仲人に忙しいので、そちらはどうぞ勝手にお幸せに
「げ、げーむ機? しみゅれーしょん??」
「ゲーム機とは…テレビ……あ、テレビジョンか……という箱につなげて映す…投影する娯楽箱ですわ。あと、スマホのアプリ版もありましたが……」
やっぱり、王太子殿下にはさっぱり理解してもらえませんでしたね。当たり前ですわね。この中世風ヨーロッパな世界観で、21世紀の地球文明を理解しろというのはどだい無理。
まあ、これだけは理解してもらいましょう。
「……とにかく、わたくしはこの世界の定められた未来がわかるのです。過去も、ね……そうですわね……例えば、カイン殿下。今朝の朝食に鴨のテリーヌが出ましたわね?」
「えっ!?」
「でも、あなたは鴨肉が苦手で……アベル様が見てないすきにポケットに隠したでしょう?その際、シャツの袖口をソースで汚し着替える羽目になった…違いますか?」
咄嗟にカイン王太子は袖口を見る…やっぱり。対するアベルが静かに怒りをたぎらせているけど、自業自得ですわね。
「……カイン殿下……珍しくすべてお召し上がりになられたと思ったら…やはりそうでしたか」
「し、仕方ないだろ!生臭いから嫌いなんだ!!」
アベルはめったに怒らないから、その迫力たるや……さすがにカイン王太子もかなり焦ってる。
さて、とどめにいきましょうか。