麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑥/伝説のあの夏…、ファーストレジェンドは奇跡を生んだ!
死闘、果てず/その5
多美代



矢吹先輩、体はだいぶ参ってる様子だが、凄い眼光だ

結局14人しか集まらなかったけど、おけい、待ってろ!

今すぐ駆けつけるからな!


...


何て光景だ…!

遠くから見ても、いよいよ本郷とおけいの戦いが死闘の域に達してるってわかるよ…

「二人とも、川の中で殴り合ってるのか…」

「凄い…」

アカネとルミは、土手下の壮絶な決闘現場に唖然としていた

「…さあ、下へ降りよう!」

「相川先輩…、あちらにいる3人が墨東からの見届け人の方たちです!」

私は先導の相川先輩に土手下を指さしながら、そう説明した

「うん…、じゃあ、鷹美とのん子と私で3人に話をしてこよう。多美も他のみんなと一緒にケイコのそばに行ってて!」

「了解です!」

みんなは一斉に土手下へ駆け下りた…

おけい…!


...


私達11人は川原に降りたった

「おけい―‼みんなを連れてきたぞー!」

「横田さんー、頑張ってー‼」

周りには約30人の敵が私たちをけん制してる…


...


「湯本先輩…、大丈夫ですか?よかったら、肩につかまってください」

「いや、大丈夫だ。多美…、横田が戦ってるぞ、あの本郷と…」

「そうですよ、先輩。おけいは南玉連合への加入を本郷の前で堂々と宣言して、南玉はヤツに屈せずを認めさせたんです!」

「そうか…」

あっこ先輩が泣いてる…

「おけいは負けませんよ!だって、アイツにケンカの指導をしていたのは南部テツヤなんですから」

「そう、あの南部君が…。あの二人が今日の為に…」

あっこ先輩、号泣だ…


...


そこへ後ろから女の声が届いた

私たちが一斉に振り返ると…

「…南玉さん、私は岩本だよ。やっと来たわね。…墨東の人には話してあるけど、あの二人、もうこれ以上は殺し合いになりそうなんで、そろそろ制止に入ります。警察も時期に来ますから、その前に一斉撤収願いますよ。今後のことはこちらから連絡しますので、別途よく話し合いしましょう。いいですね?」

「ちょっと!荒子の話が抜けてんだろうが!?どうなってんだよ‼」

湯本先輩は岩本に突っかかってくれた

その通りだって‼

ホントに頼もしいよ、この人…





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