麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑥/伝説のあの夏…、ファーストレジェンドは奇跡を生んだ!
死闘、果てず/その8
多美代



やっぱり、荒子総長は骨を折られていた…!

岩本のヤロー、よくもヌケヌケと…!!

「岩本、テメー!荒子の骨、獲っておいてよう、まさかタダで済むと思ってねーだろうな!今、私がやってやるよ‼…おい、多美、ルミ、離せって…!」

私とルミで両側を押さえている湯本先輩は、もう怒り心頭…、鬼神の形相で岩本を今ヤル気だ‼

私だって、岩本をここで半殺しにしてやりたいよ‼

でも、おけいと本郷が互いの陣営を代表して、サシで戦ってるこの状況ではマズい…

第一、今の湯本さんの体じゃとても無理だ

岩本の周りには兵隊10人以上が構えてるし…


...


「…先輩、何しろ矢吹補佐と相川先輩に確認してからでないと…。ここは堪えてください!」

「うぐっ…」

私やルミも頭で湯を沸かしてるって‼

こいつら…!

私たちのトップに対して、何て非礼、卑怯極まりないマネを…


...


「いいか、岩本‼今夜はお前らとは比べ物にならないほど”できた”、南玉の1年がこうやって理性を利かせてるから、私も我慢してやる。だが、本郷に言っとけ!この落とし前、絶対にしっかりだ。分かったな‼」

「湯本ー、麻衣さんは合田とよう、今日の行為を逃げずに正面からケリ着けると明言してるんだ。私ら周りがよう、ガタガタすることじゃねーんだよ‼」

「なんだー、このヤロー‼」

「先輩…‼」

ふうー、岩本も聞きしに勝るズベタの猛女だわ!

湯本さんがかかったら、受けて立つわ、この女…


...



「あっこ…、今はダメよ!」

あっ…、相川先輩たちが来てくれた

「…あっこ、詳しい経緯は墨東の人からも聞いたよ。後で説明するから、今、早まった行動は押さえて、ねっ…」

「相川先輩…」

湯本先輩、歯ぎしりして悔しそうだ

当然、ここにいる私ら1年全員だって、同じ気持ちだよ‼

こんなことってあるかよ…!





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