麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑥/伝説のあの夏…、ファーストレジェンドは奇跡を生んだ!
果実の熱病/その4
真樹子



「…さらに、フツーの女子高生一年坊の横田ってヤツはだよ!元南玉連合で伝説の女ライダーと言われた高原亜咲とは家が隣同士で、子供の頃から義理の妹扱いされてきたわ…。この高原は言うまでもなく、麻衣さんと一緒にこの春、レッドドッグスを立ち上げた、彼女の師匠にあたる人よ。横田は、先般の高原襲撃事件の際、巻き添えを食って負傷したわ。しかし、入院中のヤツは何と、紅組や南玉連合と組んで元墨東会のトップ、砂垣さんにクビを切らせた当事者なのよ!」

ここで、約半数が口をぽかんと開けてるよ(苦笑)


...


「…アイツ、陸上でも名を馳せ、根性はハンパないよ。…麻衣さんは、その横田を以前からただならぬ人物と目していたの。だから今日、火の玉で麻衣さんとドローに持ち込んだ横田は、決してフロックなんかじゃない。ここでは、みんなにはっきり告げておくわよ!」

あの一見、ごく普通で健康的な横田が、いざとなるとどれほど凶暴で、麻衣さんや我々にとってとてつもない脅威の存在なのか、この連中には少し大げさに言っとかないとね…

今後のことがあるし、何しろあの女を舐めてたら、えらい目に遭うんだからさ…

「…これからどうなるか、今時点じゃあはっきりはしないが、横田の去就は無視できないのよ。それは皆もよく承知しておいて。いいかい!横田競子がそれだけの人物だってことは、私を含め、火の玉に立ち会った者がよく理解できたと思うからさ。後で、彼女らによく聞いてみて。いいわね!」

「はい…!」

よし…

次行くか…





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