麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑥/伝説のあの夏…、ファーストレジェンドは奇跡を生んだ!
果実の熱病/その11
麻衣



「じゃあ先輩…、それも”手”は加えなくていいですわ」

「えー?じゃあ、私の仕事がなくなっちゃうわね…」

ハハハ…

相変わらずおトボケだわ、深海魚め…(笑)


...



「やだなあ…、それ以外で私がオーダーをバンバン出すの承知されてるでしょう、先輩。すっとぼけないでくださいよ、はは…」

「なら、当初通りでいくのかい?」

「当然です。約束ですから、このオペに参加してくれた同志への…。まず迫田リエは、矢吹・湯本の南玉幹部をバイク一台で駆逐した果敢な戦果を武勇伝に持ってっちゃってください。南玉はビビッて、誰も来ずだったってのも。これ、実際のことですが、以後伝説になるように頼んます」

「はいよ」

「片桐さんらは、嵯峨ミキが南玉との癒着を糾弾され、脱退組が紅組を論破って感じで願います。南玉はキャビネット構想に約半数が消極的的賛成で事実上分裂。これ、まとめてお願いします」

「わー、一気に来たね。…それで麻衣、横田とああいう結果になって、お前は一体どこに向かう気なんだい?」

「まあ、フタを開けてのお楽しみですよ。ああ、先輩には教えておいてあげますよ。今夜のうちに、横田は某病院で合田総長と会ってます。いいですか、あの二人はそこで傷の舐め合いなんかしていませんよ。事実上、今後の都県境再編に関わる方針を決定つけるトップ会談です」

「なんだってー!!」

アハハハ…!

アンコウ先輩、電話の向こう椅子から転げ落ちてるんじゃねーの?(爆笑)





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